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数ヶ月前、私たちはウェビナーを開催し、著名ブランドの素晴らしい頭脳の持ち主たちに挑戦すると同時に、メタバースへの地図を作る手助けをしてもらいました。1時間にわたるディスカッションでは、さまざまな意見が交わされました。終盤に向けては、メタバースの可能性、ひいてはWeb3.0環境の可能性を探るためにブランドが取るべき確実なステップを導き出しました。
メタバースへの旅の目的地を5つに絞り込みました。
- 風景(周りの状況)を調査する
- 戦略的ロードマップを作成する
- クルーを乗せる
- 進路を決める
- 進捗を確認し、調整する
メタバースはFOMO※にも満ちています。重要な決断はFOMOの状況下でされるという話は信じませんが、プロジェクトを進める上でそれは有効な手段でもあります。そこで、ウェビナーの参加者にもアンケートを取り、彼ら自身のブランドジャーニーがどのあたりにいるのかを確認してみました。これらは決してグローバルなメタバースプロジェクトの状況の全体像を描いているわけではありませんが、ブランドプロジェクトが一般的にどれほど初期段階にあるのかについての洞察を与えてくれるものと考えています。
※「FOMO(フォーモ)」とは「Fear of Missing Out」の略語で、「見逃したり取り残されたりすることへの不安」を表す言葉

1. 風景を調査する(回答者の65%)
風景(周りの状況)を調査することは、最初は受動的に見えるかもしれません。しかし、すべての旅の始まりは、監視台に上がり、望遠鏡で覗いて、周りで何が起こっているかを見ることから始めなければなりません。
この時点では、メタバースで他の人がやっていることのリストを作成し、彼らがやっていることの間違いや、正しいことを探り、物事をより良くする機会を見出しても良いしょう。あるいはメタバースのような新しいテクノロジーに関しては、単にこれらのデジタル環境の魅力について遊び、体験することでも良いでしょう。
オープンマインドであれば、この重要な最初のステップを成功させることができます。
Publicis Groupe社のMatt Marcus氏は「メタバースを身近にするための最初のテクノロジーは、Xbox、PS5、あるいはPCです。」と説明しました。
「ゲームエンジンはメタバースが発展中の場所です。Fortniteはメタバースであり、あらゆる種類のものを構築できる素晴らしいクリエイティブな環境を備えています。ただ、そこに入って遊び、個人がこの空間で何を作っているかを見ることができます。これは素晴らしい場所です。」
2. 戦略的ロードマップを作成する(回答者の25%)
現在の状況を確認したら、メタバース体験のあるべき姿の戦略を練るときです。具体的には、どこから始め、何を目標とし、どのように大きな成功に向けて反復していくかです。
メタバースを魅力的な体験にするものの多くは、インタラクティビティと没入感に集約されます。この2つは人々がメタバースに何を求めるかを定義するキーワードですが、まだまだ満足のいくものではありません。
そのため、ブランドは戦略の一環として、ユーザーに対してよりインタラクティブで没入感のある体験をどのように実現できるかを検討する必要があります。
PorscheのイノベーションハブであるForward 31のGana Meissner氏は「単なるバーチャル空間だけでは面白くない」と語っています。「最終的には人(つまりあなたが関わる人々)との、人間的なインタラクションの部分にもっと焦点を当てることです。」
3. クルーを乗せる(回答者の5%)
未来志向のテクノロジーにとって、社内の賛同者をいかに獲得するかは昔からある問題です。実際に見せることができないのに、なぜそれが重要なのかをメンバーに説明するのは難しいものです。言うまでもなく、変化に対して常に抵抗感を持つ人もいます。
メタバースを構築するのは若い世代です。彼らのアイデアをプロジェクトのプランニングに生かすことが重要になります。Digitas社のクリエイティブディレクターであるThomas McMullen氏は、次のように説明してくれました。
「当たり前のことですが、“後輩”や “若者”をチームの一員にする必要があります。そして、彼らの声に耳を傾けなければなりません。プロジェクトに彼らの意見を反映させることが、大きな力になります。」
「そして、メタバースに情熱を持っている人がリードすることです。私はメタバースを愛する人々が、声を上げていくことが本当に重要だと思っています。」
また、チームや取締役会など、社内の賛同を得るために専門アナリストの調査を利用することもできます。
「私たちはGartner Hype Cycleをメンバーをワクワクさせる方法として使っています」とThomas氏は続けます。 それは虹を追いかけて走り回るだけではなく、今後、数年間で成功すると予測されるテクノロジーを積極的に調査していることを示す、フェアで素晴らしい方法なのです。
さらに、Gartner Hype Cycle(その名が示すとおり)は、誇大宣伝、幻滅、そして最終的には生産性をモデル化する有名な方法を使用しています。これは、あるテクノロジーが誇大広告のピークを過ぎたからと言って、それが確実に水泡に帰すものではないことを、チームや取締役会が理解するのに役立ちます。
4. 進路を決める (回答者の5%)
最初のメタバースプロジェクトやキャンペーンを作るときに重要なのは、学習を目的としたものであることです。
これは、マーケティングやイノベーションのチームにとっては、何が関与し、何が問題になっているのかをより深く理解するための発想の転換になるかもしれません。あなたのチーム、目標、測定基準は、貴重な教訓と収穫を提供するために調整される必要があります。そして、メタバースで構築したものは数年をかけて形になり始めるのです。
ですから、技術的に「失敗」することを恐れてはいけません。勇気を出して、テストし、学び、新しいことに挑戦してください。このようなメンタリティこそが、パイオニアであることのすべてなのです
Deutsche Telekom社のArno Slhorst氏は「私たちは新しい考え方を身につけなければならない」と語っています。「Web2.0が少し受動的であった後、コラボレーションし、互いに協力し、新しいコミュニティを構築し、再び能動的な役割を果たすことが何を意味するのか。」
5. 進捗を確認し、調整する
目標設定、適切なチーム、エキサイティングなプロジェクト、そして正しいマインドセットがすべて整ったので、メタバース成功へのロードマップの終わりに近づいています。しかし、実際にはまだスタート地点に立ったばかりです。
結果を測定し始めたら、反復し、調整し、これらの学習に基づいて継続的な行動を開始する時です。
メタバースのこの段階では、あなたが知っているような成功の指標から離れる必要があるかもしれないことを覚えておいてください。
「成功のために自分自身を準備することになると、それは成功が何であるかに依存してしまう」と、Digitas社のThomas McMullen氏は助言しています。
「メタバースで従来のマーケティング目標を達成しようとすると失敗します。しかし、もしあなたがただ何かを試してみようとするならば、つまり未来の可能性に足を踏み入れようとするならば、あなたは成功するための準備をしていることになるのです。なぜなら、これこそが未来だからです」。
これらのステージをもっと詳しく知りたい方は、下記からウェビナーの全編をご覧いただけます。また、メタバース体験をより没入感のある、インタラクティブで楽しいものにするために、デジタルヒューマンに何ができるかをお知りになりたい場合は、私たちのチームがチャットでお答えします 。