セレブのブランドアンバサダーを選ぶことは、それほど難しいことではありません。スターを選び、いくつかの広告に顔を出して、ブランドに信頼性(とファンベース)をもたらすだけで、お金が舞い込んでくるのです。そうですよね?

いいえ、そうではありません。

セレブとブランドのパートナーシップが成功すれば、マーケティングキャンペーンを次の段階に引き上げることができるのは、全くもって事実です。セレブは、その個性、カリスマ性、権威をブランドに与えてくれます。それが成功すれば、注目度、リーチ度、エンゲージメントの観点で、これほどマーケティングの針路を変えるのに適したものはないでしょう。

しかし、いつもうまくいくとは限りません。セレブがブランドと提携すると、彼らの行動は、良いことも悪いこともブランドに反映されていきます。

David Beckhamは、その典型的な例です。1999年、Beckhamはヘアスタイリング剤のブランド「Brylcreem」と600万ドルの契約を結びました。彼の豊かな髪を見れば、それは夢のようなパートナーシップに思えました。数年後、彼は会社に内緒で丸刈りにしてしまいました。Brylcreemとの契約は継続されましたが(Beckhamは、もうこの製品を必要としていないのは明らかでしたが)、売上は25%減少したと伝えられています。

このように多くの問題がある中で、ブランドは、セレブ、ブランド、消費者の間で価値観を共有できるようなパートナーシップを模索することが重要です。それには、双方がその取り組みの成功に向けてコミットし、リアルで本物のように感じられるものでなければなりません。

また、現在構築されている広大で多様なバーチャル世界をブランドが探索し始めると、AIを搭載したデジタルツインとして再現されたセレブをメタバースで多く目にするようになるでしょう。つまり、消費者は完全に没入できる拡張性のある環境で、彼らと交流し、つながることが可能になるのです。セレブと適切なパートナーシップを築くことがより重要になり、彼らのリーチはより広くなるでしょう。

そこで、この課題を真に理解し、その個性をマーケティングキャンペーンに完璧に生かして、ブランドの顔となったアンバサダーのセレブをいくつか見てみましょう。

1. Ryan ReynoldsとAviation American Gin

Aviation American Ginは、物事をあまり深刻に考えすぎないブランドです。その考えを体現するのに「Van Wilder」から「Deadpool」まで、そのコメディーセンスで定評のある俳優、Ryan Reynolds以上の人はいないでしょう。

Raynoldsは、ブランドが表現したいすべての特徴、つまり、楽しくて、軽快で、ちょっと変わっていて、楽しい時間を過ごすことについてのすべてを体現しているのです。しかし、ジョークの裏側には、Wine Enthusiast誌でGinとして過去最高の評価を得た高品質の製品があるのです。まるでRaynoldsです。彼はちょっとおどけたところがありますが、歴代最高の興行収入をあげた俳優の一人なのです。

Aviation American Ginの度数は84%ですが、このセレブの支持を得たのは、それだけが理由ではありません。Raynoldsがこのブランドの株式を所有しているという事実が、この製品に対して彼が自分のお金を惜しまないということを示しているのです。

これ以上のブランド支持の方法があるでしょうか? たとえば、Raynoldsが彼らの風変わりな広告の一つで指摘しているように、 Aviation American Ginは厳密には「カナダ人が所有している」としてもです。 Ryan、それでもあなたは受け入れられている確信していますよ。

2. Beats by Dre(そして、その他多くのアンバサダー)

ブランドは何十人、何百人ものアンバサダーを持つことができるのに、なぜ一人しか持たないのでしょうか?これは、Beats by Dreのヘッドフォンを世界中の音楽愛好家の間で必携のアクセサリーとし、2014年にAppleが30億ドルの巨額買収につながった戦略です。

LeBron James、Lady Gaga、Nicki Minaj、Conor McGregor、Will.I.am、DJ Khaled、Michael Phelpsなど、その他多数です。Beats by Dreのをオススメするセレブリストには、エリートアスリートや音楽のスーパースターなど、錚々たる顔ぶれが名を連ねています。そして忘れてはならないのが、グラミー賞を何度も受賞し、ヘッドホンを作り上げ、その名を冠したDr Dre自身です。

テレビをつける度に、このブランドロゴが目に飛び込んでくる時代もありました。2010年代前半にDreを忘れることはあり得ず、そこからBeatsの製品も連想されたのです。

Dreは完璧主義者として知られています。Stanley Kubrickは、俳優たちに何十回も撮影をやり直させることで悪名高い人物でしたよね?Dreはプロデューサーとして、あるラッパーに1小節のボーカルを107回録り直させたこともあるそうです。このような実績を持つ彼が、創業者であるJimmy Lovineと共にヘッドフォン市場の隙間に目をつけ、高品質な製品を完成させたことには、驚くまでもありません。

その製品が高品質であることを示すには、誰もが憧れるセレブに使ってもらうのが一番だったのです。そして、音楽とスポーツの文化に瞬く間に溶け込んでいきました。

3. Amy SchumerとTampax

アメリカ人女性の10人中6人近く (58%) 、生理があるだけで恥ずかしいと感じたことがあるそうです。また、42%が生理を恥ずかしく思った経験があり、その多くは親しい友人や家族に対してでした。

THINXの依頼で行われたこの調査は生理をめぐる恥辱がまだ多く残っていることを示しています。また、44%の男性が、パートナーが生理中のときに冗談を言ったり、機嫌を損ねたりしたことがあると回答しています。男性諸君の皆さん、本当にお上品です。

Tampaxは、この恥辱にに真っ向から取り組むため、コメディアンのAmy Schumerとパートナーシップを組みました。Amyはその率直でお下品なユーモアで、思ったことを躊躇なく口にすることで高い評価を得ています。彼女のことを好きでも嫌いでも、この物議を醸すコミックが、一部の人々がまだ話しづらいトピックに、重要なスポットライトを当てるのに理想的な人物であることに同意せざるを得ないでしょう。

ただそれは、単にユーモアを盛り込むだけではありません。Schumerの広告はタンポンの使い方のコツや、生理や生理用品にまつわる俗説の否定など情報満載で。全てが彼女のトレードマークともいえる、洒落っ気に溢れています。

このキャンペーンは大成功を収め、Tampaxを製造するProcter & Gamble社は、同ブランドの商品で前例のないほどに、売上が爆発的に伸びたことをSchumerの「責任」としました。 同社の工場は、需要に追いつくために年中無休で稼働することを余儀なくされたと言われています。最悪の問題とは思えませんね。

4. Charli D’AmelioとDunkin’

Dunkin’は、デジタル時代を完全に受け入れているブランドで、ユーザーが作ったコンテンツをソーシャルメディア戦略の全面に押し出すことを躊躇していません。また、TikTokが新しい顧客、特にZ世代にリーチできる可能性を最初に認識した企業の1つでもあります。

同社のTikTokのフォロワーは300万人を超え、McDonald’sの220万人、Starbucksの180万人をも抑えています。しかし、その地位に甘んじているわけではありません。Dunkin’は、インフルエンサーマーケティングがブランドの大きな勝因になり得ることに気づいていたのです。

なので、彼らがブランドアンバサダーとしてCharli D’Amelioと契約したことは、あまりサプライズではありませんでした。最近まで、D’AmelioはTikTokで最もフォローされているクリエイターであり(先月抜かれましたが)、彼女はDunkin’の大ファンでもありました。実際、彼女は報酬を受け取る前から、TikTokで同社の製品を宣伝していたのです。

なぜ、これほどまでに相性がいいのでしょうか?それはD’Amelioは若く、社交的で楽しく、TikTokで大規模なファンベースとインタラクティブなコミュニティを構築しているからです。彼女はDunkin’がブランドとして達成しようとしていることを体現しています。そして、このパートナーシップは大成功を収めました。同社はインフルエンサーの名前を冠した限定ドリンク「The Charli」の発売から、わずか2日後にコールドブリューの売り上げが45%増加したと発表しています。

もしあなたがコーヒーを飲むには若すぎるなら、代わりにインフルエンサーと一緒にダンキンのカップを片手に踊ってみるのも良いかもしれません。これは、多くの年齢層で有効なキャンペーンと言えるでしょう。

5. Colin KaepernickとNike

このブログをいつも読んでくださっている方なら、私たちがNikeの Just Do Itのスローガンの 30周年を記念して行ったキャンペーンの大ファンであることはご存知でしょう。 「Dream Crazy」と題された代表的なビデオは、情熱的で、痛烈で、向上心に溢れた、Nikeの典型的なスタイルでした。

動画のメッセージですか?大切なことは、たとえ誰もそう思っていなくても、自分自身を信じることです。この広告では、多様性と包括性を称賛し、競争心を強く持つこと、信念を持ち、公平で、協力的であるべきということを表現しています。

ナレーションを担当する人権活動家Colin Kaepernickは、このキャンペーンに重厚さと信頼性をもたらしています。人種的不平等に対する抗議として、Kaepernickは2016年のNFLシーズンを通して米国国歌斉唱時にひざまづくようになりました。

そのシーズン後、彼はフリーエージェントとなり、それ以来は無契約の状態のままです。多くの専門家は、彼があまりにも政治的であるため、NFLチームのブラックリストに載っていると指摘しています。一方でNFLの損失はNikeの利益であり、今やKaepernickは、誠実さ、平等、真摯さを促進することに熱心なブランドの理想的な顔なのです。

私たちは、Nikeがこのキャンペーンの全てで成功したことにも驚きません。結局のところ、Nikeにとって、これらの手法は初めてではないです。彼らはNBAの伝説的なMichael Jordanとのパートナーシップを筆頭に、長年にわたってセレブのブランドアンバサダーシップを極めてきました。Nikeは1984年に初めてAir Jordansのシグネチャースニーカーを作りましたが、この文化的現象は今日も続いています。

デジタルヒューマンAI時代のブランドアンバサダー

セレブのブランドアンバサダーは、沢山のことを上手くやることができます。セレブの顔は、ブランドに人間味を与え、信頼と親近感を抱かせます。多くの人にとって、好きなセレブがブランドをオススメしてくれることは、親しい友人や家族からのオススメと同じか、それ以上に嬉しいものです。

一方で、インタラクティブな消費者体験についてはどうでしょうか?Charli D’Amelioのようなインフルエンサーは、コミュニティとエンゲージメントの感覚を育むことには優れていますが、彼女はまだ一人の人間に過ぎません。数百万人のフォロワー全員に、少なくとも個別に、ユニークでパーソナライズされた方法で応答することはできません。デジタルヒューマンのブランドアンバサダー ならそれが可能です。

会話型AIを搭載したデジタル版のセレブを作れば、本物のような個性や温かさ、価値観を持つことができます。その上、インタラクティブで、24時間365日、必要な時に必要なだけ利用することができます。AI時代にはブランドアンバサダーシップの未開拓な側面が、より多く見られるようになるはずです。

Michael Jordanが、あなたがAir Jordansを選ぶのを手伝い、その後、メタバースでフリースローのテクニックのコツを教えてくれると想像してみてください。これこそ、ブランド体験の未来です。広告で上手くいっていることを、インタラクティブでパーソナルなデジタル体験にスケールアップするのです。好きなセレブに会ったときの感動を何倍にもしてくれるのです。

メタバースはまだ完全に実現されていませんが、デジタルヒューマンは、組織が新しくエキサイティングな方法でオーディエンスとつながることに役立っています。デジタルヒューマンによるセレブのブランドアンバサダーは、多くの実用例の一つです。

デジタル版Einsteinに話を聞いてみませんか?1921年にAlbert Einsteinがノーベル物理学賞を受賞してから100年目の年に、私たちは彼を作りました 最先端のデジタルヒューマンプラットフォームを使って、Einsteinのユニークな性格や挙動を再現し、音声とテキストの両方であなたとチャットすることを可能にしました。ぜひお試しください。

また、デジタルヒューマンについてもっと知りたい方は、以下のeBookをご覧ください。あなたはどう思いますか?ぜひ、ご意見をお聞かせください。