機械学習はどこで終わり、人工知能はどこから始まるのか。UneeQのシニアコンピュータ責任者および機械学習開発者であるAmir HajiRassouliha博士に、AIと機械学習の基本的な違いを解説して頂きました。


AI vs 機械学習。どちらも難しい言葉であると感じるかもしれませんが、実際にはAIと機械学習はそれぞれの類似点と相違点を通して理解されているかもしれません。

両方ともコンピュータサイエンスの分野です。どちらも、機械が人間の知性や反応を模倣して、仕事の効率化など人間の活動を支援することを目指しています。タスクを完了させるために高度なアルゴリズムを備えており、AIと機械学習どちらも私たちのビジネスや機械との関わり方を日々変化させています。

では、両者の違いはどこにあるのでしょうか?

AIと機械学習の違い


AIと機械学習が大きく重なっているからこそ、この2つの用語が間違って使われていることをよく耳にします。これは単純な間違いですが、訂正する必要があります。

AI(人工知能)とは、‘‘人間の知能を模倣することができるコンピュータ’’という広義的な概念です。意思決定をし、問題を解決し、その環境や情報に基づいて行動を実行するように機械をプログラムすると、AIと呼ばれます。標準的なチャットボットは良い例で、多くの場合、事前に定義されたプログラムのフレームを使用して顧客の質問を認識し、応答するように設計されています。初歩的なチャットボットでさえ、ある種のAIと定義することができます。

機械学習はもう少し複雑です。それは、明示的なプログラミングを必要とせずに独自に学習することができるAIのオプション機能です。機械学習が設定されたAIは、新しいデータに基づいて応答を継続的に改善し、適応させます。これは、最先端のAIチャットボットバーチャルアシスタントにしか見られない行動です。あなたが話したり、入力したりしても、彼らはただ聞いて反応するだけではないのです。彼らは答えをただ記憶しているのではなく、学習し続けているのです。

AIと機械学習の違いを判別する方法は、ロシアの入れ子人形のセット‘‘マトリョーシカ’’を想像すると分かりやすいでしょう。AIはより大きいロシアの人形であり、機械学習はそれの中で完全に合うより小さいものです。言い換えれば、すべての機械学習はAIであるが、すべてのAIが機械学習であるわけではないのです。

また、‘‘ディープラーニング’’はデジタル分野のオプション機能と考えられているため、機械学習の中に収まる、さらに小さな人形になるでしょう。しかし、それはまた別の日に話します!

AIと機械学習の歴史


AIや機械学習といったスマートマシンのアイデアは過去の事象で説明できます。ギリシャ神話に登場する鍛冶の神ヘパエスタスは、海賊や侵略者に石を投げつけてクレタ島を守る巨大な青銅製の兵士であるタロスを作ったと言われています。

これは新しい概念を生み出した一例に過ぎません。それが宗教であれ、SFであれ、巧妙なデマであれ、スマートマシンへの文化的な魅力は、科学的な魅力よりもはるかに先にあり、「人工知能」という言葉が生まれたのも文化的魅力が強いためです。

さて、人工知能における技術進歩の変曲点を見つけるために、1950年代の出来事を見てみましょう。

イギリスの数学者であり、伝説的な戦時中のコードブレイカーであるアラン・チューリングは、1950年に彼の代表的な論文「計算機と知能」を執筆しました。その6年後、人工知能に関するダートマス夏季研究プロジェクトが行われました。このワークショップには、数学とコンピュータサイエンスの世界で最も聡明な頭脳を持った精鋭の研究者が参加しました。このワークショップでは、AIが分野として誕生した瞬間であると広く知られています。

1950年代は、機械学習における初期の先駆的な研究が始まった時期でもあります。1960年代には、新しい情報に基づいて予測の更新を可能とするコンピュータの導入により、AIや機械学習の分野は勢いを増しました。しかし、理論は確かなものでしたが、技術はまだまだ先のことでした。

AIの分野では、何十年にもわたって着実な進歩が続いていました。しかし、2010年代になると、技術の進歩、理論的な革新、消費者の需要が拡大する転換期に達し、AIや機械学習が花開くようになりました。

AIと機械学習がチャットボットやバーチャルアシスタントにどのような影響を与えているか


チャットボットやバーチャルアシスタントにAIや機械学習がどのように活用されているかについては、すでに非常に簡単に触れましたが、もう少し掘り下げてみましょう。現在、2025年までに全ての顧客とのやり取りの約75%がチャットボットを介して行われると予想されており、企業の70%は音声アシスタントの導入を検討したいと応えています。

その理由を理解するのは難しいことではありません。これらの技術は、即座に質問の回答、情報を提供することができ、24時間365日利用可能で、顧客サービスチームの負担を軽減することができます。これらは標準的な利点に過ぎませんが、機械学習により、AIチャットボットやバーチャルアシスタントはさらに多くのことを行うことができます。

例えば、別の機械学習のサブセットである自然言語処理(NLP)と自然言語理解(NLU)は、コンピュータが人間の言語(最も一般的な英語)を分析し、理解し、会話できることを意味します。Alexa、Siri、Googleアシスタント、その他様々なチャットボットや音声アシスタントは、すでにこの水準に達しています。

会話型AIはさらに一歩進んで、ほぼ人間のような会話をすることができる機械があります。Alexaは文脈や意図を理解し伝えることを学習しています。

Alexaは、私たちが顧客の質問に答えるときと同じように、ある会話から次の会話へと文脈を引き継ぐことを学習しています。しかし、機械学習はまだ大部分が模索段階にあり、チャットボットやバーチャルアシスタントは、会話型AIやその先の真の可能性にはまだ到達していません。では、それらが実現するとどうなるのでしょうか?

デジタルヒューマンにとってのAIと機械学習のメリット


チャットボットの主な欠点の1つは印象であり、消費者に提供するカスタマーエクスペリエンス(CX)に‘‘世間が低い期待を抱いている’’ということです。これらのサービスを利用している間、良いCXを受けられると思っている人は43%に過ぎず、3分の1以下の人しかチャットボットに対してフレンドリーで親しみやすいと感じていません。

一方で、バーチャルアシスタントは人間よりも簡単で便利で、日常の単純なタスクを素早くこなすことができると考えられています。しかしながら、お金の管理など、より繊細な問題については、人は信頼できるもの、つまり他の人間に任せる傾向があります。

デジタルヒューマンはこれらのギャップを埋めるのに役立ち、AIや機械学習が重要な役割を果たす可能性があります。UneeQの研究では、デジタルヒューマンの顧客とのやり取りがユーザー体験を劇的に向上させることができることを示しています。デジタルヒューマンは、チャットボットや音声アシスタントのように問題を解決したり、問い合わせに答えたりしますが、それだけではなく、笑顔と個性をもってそれを行い、信頼関係を構築し、ブランド体験にヒューマンタッチを加えることができます。

UneeQのコグニティブアーキテクトであるPiersは、AIに顔がある場合、なぜ人はAIを信頼するのかについての研究や調査について深く調査しています。しかし、人々とのより信頼感のある長いつながりを作るための手段としての機械学習AIの台頭により、インターフェイスに同様のヒューマンタッチを与える必要性を示しています。

そして、チャットボットが人間の顔を介して顧客体験を提供することで、顧客の信頼感やブランドの浸透に寄与することが実証されてきたのです。